子どもから大人まで楽しめるクレヨンしんちゃんの映画ですが、2020年の時点で28作品あり、どれを見たら良いか迷っている方におすすめしたいのが、「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」です。
クレヨンしんちゃんは子ども向けながらも大人にも響く内容のものが多いですが、この作品は特に大人向けで、世のお父さんは感じるものも多い作品のように思います。
それではこの映画はどのような内容なのか見ていきましょう。
映画「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」あらすじ
野原家の大黒柱である野原ひろしはぎっくり腰となってしまい、しんのすけと共に病院に向かうも休日で閉まっており、休憩のため公園を訪れます。
しかしその公園は「家庭に居場所がない父親たちのふきだまり」となっており、妻子に気遣ってタバコを吸えない男性やゆっくり新聞を読みたいために訪れた男性など元気を無くした父たちが集まっていました。
そんな父たちも後から来た子ども連れの女性たちによって追い出されてしまい、彼らは「ここも安息の地では無かった」とますます元気を無くしてしまいました。
ひろしとしんのすけも公園を後にし、再び病院を探していると、謎の美女が二人の前に現れます。
美女はひろしだけをマッサージ店に招くと、腰を治すと言いながらも勝手にロボットに改造してしまいました。
ロボットになってしまったひろしに家族は困惑しますが・・・。
映画「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」のネタバレ①万能な「ロボとーちゃん」
人間であるひろしはぎっくり腰になってしまったため、貴重な休日に庭の草刈りやシロの小屋の修理やアンテナの調整など家事のお手伝いができなくなってしまいます。
ところが「ロボとーちゃん」は、それら全てをこなすだけでなく料理もできて電子レンジやテレビを遠隔操作できるうえに空も飛べるため、徐々に家族に受け入れられていきます。
また、ロボとーちゃんはしばらく休職していましたが、仕事に復帰してからは誰よりも数倍働き、重要会議の通訳もこなしてしまうほど。
社員にも信頼や期待の眼差しを向けられ、ロボットになったことで順風満帆な日々を送るまでに至るのです。
映画「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」のネタバレ②父親たちの逆襲
ある日、しんのすけはマッサージ店で出会った女性と再び出会い、ひげのアイテムをロボとーちゃんに渡すように言われます。
しんのすけがそのアイテムを渡し、装着するとロボとーちゃんは人が変わったように変貌し家族に説教を始めました。
さらに春日部中の父たちを集め、「ちちゆれ同盟(父よ勇気で立ち上がれ同盟)」を結成すると、父たちは「親父専用車両を作れ」「レディースデイがあるなら親父デーも作れ」など不満を爆発させ始めました。
ちちゆれ同盟の暴挙により、春日部中は大混乱。
けれどもこの映画の父たちは粗雑な扱いを受け続けたため、世のお父さんたちはもちろん、この気持ちを分かってしまう方も多くいるのではないでしょうか。
映画「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」のネタバレ③戻ってきたひろし
ロボとーちゃんは、実は下春日部警察署の署長である黒岩仁太郎(くろいわじんたろう)主導のもと、ひろしの記憶をコピーして作られたロボットでした。
彼自身、家族から粗雑な扱いを受けており、世の父の弱さを嘆き、このような暴挙に出ているのでした。
町が混乱している中、運良くロボット製造工場に行き着いたしんのすけは、そこに囚われていたひろしを助け出し、新しくなったロボとーちゃんと共に下春日部警察署に向かいます。
警察署は黒岩が遠隔するロボット率いるちちゆれ同盟が掌握しており、ロボとーちゃんはこのロボットと激闘の末に勝利を収めます。
ロボットに踊らされていたと気付いた父親たちは我に返ると帰宅していきました。
見事な戦いを繰り広げたロボとーちゃんはみさえの声に振り返りましたが、その声はロボとーちゃんではなく人間のひろしに向けられたものでした。
愛する家族のために戦ったロボとーちゃんでしたが、ひろしからは「偽物」と言われ、それでも本物は自分であると言い張りました。
映画「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」のみどころ④人間のひろしvsロボとーちゃん
本物の父親はどちらか、と揉めている野原一家の前に黒岩が現れると、全員を逮捕し連行してしまいました。
黒岩の操作によってただのロボットに戻ってしまったロボとーちゃんは、手始めにしんのすけに大嫌いなピーマン食べさせようとします。
しんのすけは苦しみながらもピーマンを食べ、ロボとーちゃんに正気に戻るように訴えかけました。
その声が届いたのか、ロボとーちゃんが正気に戻ると、囚われた家族を助け出しました。
黒岩は最終手段として巨大ロボットを仕向けてきます。
ロボとーちゃんは周辺の建物の部品を集めると巨大化し、しんのすけはこれを操縦し、損壊を受けながらも勝利しました。
壊れかけのロボとーちゃんを見たしんのすけは、直るか尋ねますが、悲しそうに首を振ります。
代わりにロボとーちゃんはひろしに腕相撲を挑み、ひろしはこれを受け入れると、「どちらが本当の父であるかケリをつけよう」と言いました。
故障の影響もあり、ロボとーちゃんが腕相撲に負けると、「とーちゃん」と呼んできたしんのすけに対して「俺は違う」と言います。
しかし、しんのすけは「とーちゃんもロボとーちゃんもどっちもオラの大好きなとーちゃんだ」と言います。
ロボとーちゃんはしんのすけの頭を撫でながら動かなくなりました。
春日部に平和が戻り、世の父たちは相変わらず公園に避難しています。
しかし、彼らに対して辛辣だった女性たちから挨拶をしたり、家族が父を必要としていたりと、人々は父たちに対して以前より優しくなっていました。
この映画に描かれているように、現代における家族内カーストは父が下位である場合が多く、ロボとーちゃんのように万能でない限り、肩身の狭い思いをしている方も多いと思います。
この映画を通して、世の父たちに対して以前よりも優しい気持ちを持つ方が増えると良いですね。
映画「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」まとめ
「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」は、子ども向けながらも現代の日本における父の立場の弱さが描かれている映画となっており、特にお父さんたちが見ると胸が痛くなる場面もあります。
しかし、最後には父としての貫禄を見せたひろしを始め、世間が彼らに優しくなったシーンを見ているだけで胸を打たれることでしょう。
世のお父さんたちはもちろん、あまり父と上手くいっていないという方は、この映画を見てなにかを感じ取ってみてください。